刑務所と濡れ衣 犬のうんこ
こうやって腐敗? 公務員オフィスの一場面 ヤスミン・ハマメット
英語やフランス語、ひいてはアラビア語では書いてはいけないことがたくさんチュニジア生活ではおこります。
シディ・ブ・ジッド ジャスミン革命の発端の地へ
チュニスから約280km、シディ・ブ・ジッドの街中まで朝5時におきて往復した。コロナ騒ぎで県外移動禁止になって以来である。視力検査によくでてくるような景色、空がどこまでも広く地平線が見えて、右も左もどこまでも見渡せる景色。オリーブの木々が等間隔に植えられている。ときどき岩山が現れ、殺伐とした自然の中にポツンポツンの民家が見える。
この280kmの往復560km中にもっとも目にするのはISUZUのトラック。80%がメロンとスイカの運搬車、ほか20%が玉ねぎ、赤いピーマン、アーモンド、牛、引っ越し荷物。国道沿いにまたメロンとスイカのスタンドが圧倒的、ときにアーモンドのお茶の小屋が20軒続き、タブーナと呼ばれるパンとお茶のボロボロテントも20軒続くゾーン、羊の焼肉ゾーン、マクルードゾーン(デイツ餡のドーナッツ)が数回がある。シンプルで、だれもほかのことをしない。ゾーンに入るとみな延々と同じ店。延々と同じメニュー。
昔はどこもかしこも、なぜ同じことしかしないのだろう、一人だけ違うものを売ったら、メニューをかえたら儲からないか?もったいない、などと思ったけど今は頭がすっきりしていい、シンプルでいいかもしれない、もったいないなんて余計なお世話だろうと考えるようになった。常にチョイスがない。商売のクリエイティビティはゼロ。隣の人がやっていることを同じようにやる。サハラからシロコという熱風が来ている日も、恐ろしく寒い日もほとんどかわらない。今日みたいにうだるような熱い日もお姉さん、子供、おじさん、が国道沿いにたつ。根性はすごい。
そしてISUZUのトラックや大型運搬車がとまってそれぞれまったく同じお茶をもらう。同じパンを買う。行きつけの焼き肉店、マクルード(ドーナッツ)の店に寄る。需要と供給は一致しているのか。よそ者がとやかくいうものではない。
熱さと運転は疲れるけど、頭がすっきりするのはこういう長距離移動のことをいうもので、視界に入ってくるものがシンプルでわかりやすく消化しやすい。広い広い空と平原またはオリーブ畑、そして岩山。今になって時空を超える長距離移動は心の換気だと思うようになった。私の中では200km以上。「旅」と意識して出かけるとさまざまな出会いと学びや発見が期待されるけど、単なる長距離移動、出張も日常の生活でよどんだ思考や意識のほこりをさっぱり吹き飛ばすもんだと、実感した今日。
革命の発端、モハメド・ブアジジさんが焼身自殺を図ったのが、このシディ・ブ・ジッドの町、市役所前で、何度か一度いってみたいといわれお客さんを案内したことがある。毎週土曜日の午前は市がたち、活気はあるようにみえるが、やさぐれた雰囲気がいつも漂う。地中海沿岸沿いやサハラ地区とは異なり、町開発、リゾート開発からも取り残された農業中心の保守的な内陸の町。革命のあと大統領3回かわっても何もかわらない。
私はこれからもお客さんに「町としては何もないですよ。ブアジジさんの碑を見て、焼身自殺があった市役所前を確認するくらいですよ。でも、オリーブの木の加工工房はありますよ。。。」って言い続けるんだろうなぁ。
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